近年、内科の病気においても消化器内科、循環器内科、呼吸器内科などといった専門性が問われるようになっており、さらにいえば、例えば消化器内科の中でも消化管・肝臓・膵臓といったように細分化が進んでいます。
しかし実際はひとつの症状に対して様々な原因を考えることができます。例えば、胸の痛みに対しては、心臓、肺、食道、胃などが原因であることがありますし、全身倦怠感であれば、甲状腺の病気や貧血、悪性腫瘍などが原因として挙げられます。
当院では総合内科専門医として可能な限り様々な病気に対し診断・治療を行っていくよう努力いたします。またより専門的な治療が必要な場合には速やかに高次医療機関と連携いたします。
高血圧症は患者様の数が4000万人以上にものぼる、最もありふれた病気の一つです。高血圧症を放っておくと、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)、心臓病(心不全、狭心症、心筋梗塞など)、腎臓病(腎硬化症など)などを引き起こします。また、高血圧症の中には二次性高血圧症といって、腎臓や腎臓の血管に原因があるもの、血圧をあげるホルモンを産生する腫瘍によるもの、薬剤によるものなども存在します。減塩、食事・運動療法、適正体重の維持などの基本的な治療法に加え、原因にあわせた適切な治療が大切です。収縮期血圧が130を超えることが多い方は高血圧のおそれがありますのでご相談ください。
糖尿病は、初期にはあまり症状を認めませんが、進行するとしびれや痛みなどの神経障害、腎不全などを引き起こす糖尿病性腎症、失明原因の第一位である糖尿病性網膜症、さらには脳梗塞や心筋梗塞の原因にもなります。
これらの合併症を防ぐためにも糖尿病早期からの適切な治療が必要です。生活習慣の改善や食事・運動療法、血圧・体重・脂質の管理が大切です。また薬物療法においても新薬を含め、近年様々な治療法があります。
脂質異常症には、高コレステロール(特に悪玉のLDL)血症と高トリグリセリド(中性脂肪)血症があります。脂質異常症も自覚症状がないにも関わらず、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を引き起こします。特に、高血圧症、糖尿病、家族歴のある方、喫煙者や肥満の方はしっかりとした管理が必要です。生活習慣の改善、食事・運動療法、禁煙などが肝要です。
高血圧症、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満等は動脈硬化を引き起こします。脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)、心臓病(心不全、狭心症、心筋梗塞など)、腎臓病(腎硬化症など)などにつながるため、早めの治療は必要です。
当院では脈波検査を行うことにより、動脈硬化の程度や血管の詰まり具合を調べることができます。検査時間も短く、血圧測定と同じような感覚で受けていただくことができます。
尿酸は体内でできる老廃物の一つですが、尿酸値が高い状態が続くと尿酸の結晶が体に沈着して様々な症状を引き起こします。痛風発作が有名ですが、腎障害や尿路結石の原因にもなり、また高尿酸血症は生活習慣病とも密接に関係があるといわれています。
レバーや魚卵、アルコールなどのプリン体を多く含む食品を摂りすぎると尿酸値が上がるため、食事やアルコールには気を付けてください。
気管支喘息とは、気道の炎症が続き、刺激に敏感になっている状態です。発作を抑えるためには吸入ステロイドが中心となり、症状の強さによって治療薬を調節していきます。
また、慢性咳嗽(咳が2か月以上続くものの、レントゲンなどで特に異常のないもの)の原因として、咳喘息は最も頻度の高い病気です。咳喘息に対しても吸入などにより治療を行います。
咳や痰、発熱が続く場合、肺炎のおそれもあります。また高齢の方、嚥下機能が低下している方では誤嚥性肺炎を発症するおそれもあります。
肺炎においては、レントゲン・血液検査などによって診断し、呼吸状態や炎症の程度によって治療法を選択していきます。また、咳が長引く場合には結核のおそれもあります。
膀胱炎になると頻尿や排尿時、残尿感や下腹部不快感を認めます。また、細菌が尿路から腎臓まで達すると腎盂腎炎となり、高熱を伴うようになります。腎盂腎炎では菌血症など強い感染を伴うことも多いので、入院による治療が必要になることもあります。
甲状腺は前頚部にある臓器です。甲状腺疾患の症状にはあまり特徴がなく、自律神経失調症や更年期障害などと間違われることもあります。甲状腺からは体を元気にするホルモンが分泌されます。そのホルモンが過剰になると甲状腺機能亢進症となり、体重減少・頻脈・体温上昇・手の震えなどの症状を認めます。また、ホルモンが低下する甲状腺機能低下症(橋本病)は日本人にはとても多い疾患です。症状としては倦怠感、足のむくみ、便秘、冷え性などが挙げられます。
当院では甲状腺疾患に対する血液検査・エコー検査が可能です。気になる症状がある方はご相談ください。
喫煙が健康に悪いのは皆さんご存じだと思います。さらに近年ではタバコを吸える場所も年々減ってきていますし、タバコの値段も上がってきています。
それでもなかなかタバコを止めることができないのは個人の意思の問題だけではなく、ニコチン依存症に原因があります。
タバコを吸い終わると1時間もしないうちに血液中のニコチン濃度が減り、イライラや落ち着かないなどのニコチン切れ症状が現れます。そのイライラを抑えるためにまたタバコを吸ってしまうという悪循環になってしまいます。
病気を自分の意志だけで治せないのと同じように、ニコチン依存症を意志の力だけで治すことは困難です。
標準的な禁煙治療のスケジュールでは、12週間にわたり合計5回の診察を行います。当院では健康保険を用いた禁煙治療を行うことが可能です。禁煙をご希望される方はぜひご相談ください。
骨粗しょう症とは骨の密度が低下して骨折しやすくなる病気です。骨粗しょう症が進むとつまずいて手やひじをついただけでも骨折してしまうこともあります。骨折しやすい部位としては背骨・脚の付け根、手首などが挙げられます。特に大腿骨の骨折は歩行困難や要介護状態につながりやすいため注意が必要です。
骨粗しょう症は自覚症状がないため、定期的に検査を受けていただくことが必要です。骨粗しょう症の検査としては、骨密度検査があります。当院では随時骨密度検査をうけていただくことが可能であり、検査後すぐに正確な結果をお伝えできます。
骨密度検査は、骨の健康状態を知る上で重要な検査です。特に40歳以上の女性では、症状が無くても定期的に骨密度を測ることをお勧めします。
なかなか眠ることができない、眠っている途中で目が覚めてしまう、熟眠感がないといった睡眠に関わる悩みをお持ちの方は多いと思います。
睡眠薬はその作用メカニズムの違いから、①脳の機能を低下させる睡眠薬、②自然な眠気を強くする睡眠薬の2つにわけることができます。
今までは主に①の睡眠薬が多く使われてきました。しかし近年は睡眠・覚醒の周期に関係する生理的な物質の働きを調整しなるべく自然か形で睡眠を促す薬が発売されています。
当院では患者様の睡眠状態にあわせて治療を調整してまいります。
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まってしまう病気です。一晩に無呼吸が30回以上、もしくは1時間当たり5回以上あれば睡眠時無呼吸といえます。
日中よく眠くなる、いびきが大きい、夜間トイレに何度も行きたくなる、肥満などがあれば睡眠時無呼吸症候群のおそれがあります。睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、虚血性心疾患、脳血管障害などと強く関連があります。当院では睡眠の検査を行っております。ご相談ください。
消化器疾患に対し消化器病専門医・消化器内視鏡専門医として、苦痛が少ない検査による正確な診断を行うよう努力してまいります。
当院では咽頭反射の少ない経鼻内視鏡検査を行うことができます。また、苦痛を和らげるための鎮静剤を用いた検査も可能です。ご相談ください。
また、膵がんや胆道がん、肝がん等の早期発見のために腹部エコー検査にも力を入れております。特に膵がんに関しては家族歴、糖尿病などがあれば罹患リスクが上がるため、腹部エコー検査を強くお勧めします。
ほかにも、慢性便秘症や機能性ディスペプシア(胃腸症)の診断・治療も行っております。
ピロリ菌は胃の中に生息することができる、らせんの形をした細菌です。
ピロリ菌に感染していてもほとんど自覚症状はありません。しかしピロリ菌感染は、胃粘膜が萎縮する萎縮性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんと関連があると言われています。
日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは、ピロリ菌に関連する疾患の治療および予防のため、ピロリ菌に感染している全ての方に除菌治療を受けていただくことを強く勧めています。
ご家族(特にご両親)がピロリ菌に感染している(していた)方、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往のある方、胃がんの家族歴のある方などはピロリ菌の検査をお勧めします。
ピロリ菌を退治する除菌療法とは、胃酸分泌をおさえる薬と抗菌薬とを1週間内服する治療法です。具体的な内容や副作用に関してはお気軽にお聞きください。(除菌治療を受けるためには保険診療上、胃カメラを受けていただく必要があります)
当クリニックの医師はピロリ菌感染症認定医でもありますので、お気軽にご相談ください。
膵臓がんは増加傾向にあり、がんの中でも早期発見が難しく、予後不良の疾患として知られています。根治のためには手術による切除が必要ですが、残念ながら切除困難な状態で発見されることが多いのが現状です。膵臓がんのリスクとしては家族歴、糖尿病、肥満、喫煙、アルコールなどがあり、心当たりのある方は少しでも早く病気をみつけるために、ますは腹部超音波検査や血液検査を受けていただくことをお勧めします。
便秘は多くの方が悩まれているにも関わらず、あまり深刻な病気としてとらえられていない疾患です。しかし便秘が続くと生活の質が低下するばかりではなく、心筋梗塞や狭心症などの心疾患や脳卒中とも関連していることが近年報告されました。また便秘の原因も多岐にわたり、生活習慣や内服薬によるものから、大腸がんや糖尿病、甲状腺機能低下症などによる2次的なものもあります。下部消化管内視鏡(大腸カメラ)等により、しっかりと診断したうえで的確な治療が必要と考えます。便秘でお困りの方はぜひご相談ください。
みなさんは「機能性ディスペプシア」という病気をご存じでしょうか?機能性ディスペプシアとは、胃もたれ・みぞおちの痛み・腹部膨満感・嘔気嘔吐などの症状があるにもかかわらず、内視鏡検査等では明らかな異常が見つからない病気です。
機能性ディスペプシアは日本人の約10~20%にみられるという報告もあり、決して珍しい病気ではありません。むしろこのような症状に長年苦しんだり悩んでいる方はたくさんおわれると考えます。
機能性ディスペプシアの原因には胃の運動異常や生活習慣、ストレス、胃酸過多などが考えられています。診断には問診に加え、血液検査・腹部エコー・胃カメラなどが必要です。
機能性ディスペプシアの治療としては生活や食生活の改善、胃の動きを改善させる薬などがあります。思い当たる症状があればぜひご相談ください。